地域の魅力を再発見し、人と人・地域をつなぐ「つなぐデザイン」を考える
あさひかわ創造都市推進協議会では、令和7年2月25日(火)、ときわ市民ホールにて
「デザイン・クリエイティブセミナー ― 地域の魅力を再発見/人と人、人と地域をつなぐ仕組みをデザインする ―」
を開催しました。当日は市民・学生・行政・企業関係者など 57名 が参加しました。
■ 1. 開催概要
日 時:令和7年2月25日(火)18:00〜20:00
会 場:ときわ市民ホール 大会議室(旭川市5条通4丁目)
講 師:原田 祐馬 氏(UMAdesign farm 代表)
デザイナー/大学教員/行政アドバイザーとして全国で幅広く活動
■ 2. セミナーのテーマと趣旨
本セミナーでは、原田氏がこれまで携わってきた地域・行政・企業との多様なプロジェクトを通じて、
「デザインは見た目を整える技術ではなく、社会や人の関係をより良くする“仕組みづくり”である」
という考え方が提示されました。
デザインのプロセスにおいて重要なのは、
共に考える/共に作る/現場で確かめる(プロトタイピング)
という姿勢であり、地域課題の発見から解決までを“対話”と“協働”で進めることの価値が語られました。
■ 3. セミナー内容(まとめ)
① 地域と行政とデザイン
- 佐賀県のデザイン政策の立ち上げ
- 各部局との「壁打ちミーティング」で施策の改善
- 行政職員と協働し、予算・計画・現場課題をデザインの視点で整理
行政の“内側の仕組み”を整えることこそが、住民サービスの向上につながるという視点が共有されました。
② 福祉とデザイン
- 障害のある人の仕事づくりとして「3Dプリンター × 張り子」の新しい制作モデルを開発
- 児童養護施設の家具選びを、子ども自身が「選び・組み立てる」体験へ
- 里親支援ツール「ソケタ」を開発し、対話しやすい環境をデザイン
「福祉 × デザイン」が“関わり方”そのものを変え、人の尊厳を守る仕組みになることが印象深く紹介されました。
③ 企業ブランディング
- 石鹸メーカーの魅力整理とパッケージデザイン
- 放牧型酪農への転換を支援する牧場ブランディング
- リサイクル紙の新色開発で、印刷業界の新しい選択肢を創出
商品開発や販路拡大の背景にある「ストーリーの再整理」が、デザインの力であると説明されました。
④ 公共空間・文化施設のデザイン
- UR団地の色彩計画
- 滋賀県立美術館のリニューアル(VI・サイン計画)
- 福岡市の子ども向け人権教育ツール開発
地域の風景や文化に根ざしたデザインが、公共空間の価値を高めることが示されました。
⑤ フィールドワーク・リサーチの重要性
原田氏が全国各地・海外で実践してきた調査活動が、
「地域の色」「人の語り」「土地の歴史」を読み解く基盤になっていることが紹介されました。
ベネチア・ビエンナーレ日本館の展示企画では、建築と地域文化の関係を問い直す作品を手がけています。
■ 4. デザインの本質とメッセージ
デザインは“仕組み(OS)”と“仕掛け(アプリケーション)”の両方をつくること。
人のよろこびをつくり、対話をつくり、社会をより良くするプロセスそのものがデザインである。
■ 5. まとめ
今回のセミナーを通して、旭川におけるデザインの可能性は、
ものづくりやビジュアル表現だけではなく、人の関係性や地域の仕組みを更新する力そのものであることが実感されました。
あさひかわ創造都市推進協議会では、今後もデザインを軸にした学び・交流・創造の場づくりを進め、
市民や学生、事業者とともに「デザインの森」を育てていきます。








