1.日時及び会場 日時:令和5年2月2日(木)18:00~19:00 会場:デザインギャラリー
2.講師 山阪 佳彦氏 MAQinc. 取締役社長
3.参加者数 29名
4.概要
神戸市の初代クリエイティブ・ディレクターとして、様々な行政課題をデザインの視点で解決に取り組んできた山阪氏。神戸市での活動や「デザインの力」で多くの人が感じている不安や違和感を取り除くためのデザインの有効性、本質についてセミナー参加者と共に考えました。
① 商業デザインとコミュニケーションデザイン。
商業デザインはビジネス。売上に直結するデザイン。コミュニケーションデザインとは、コミュニケーションにおいて課題への意識、共感が武器になる。そのことが評価される時代になった。
② 社会課題へのデザインアプローチ。
企業課題に答えるデザインから、様々な社会課題の解決へのデザインへ。デザイン的なアプローチで社会的な課題に対し、無関心層へのアプローチをしていき個々がそれに気づき「心理変容」、意識的に行動を変えるきっかけ「行動変容」をデザインで、できないだろうか?
③ デザインは社会の変化と共に。
デザイナーたちの動きによって、デザインが社会の鏡になっている。時代の課題に向き合い沢山のデザイナーたちが動いた。
④ 神戸市クリエイティブディレクターのこと。
定量的な効果を望む行政に定性的なデザインの効果をどう理解してもらうか?行政におけるデザインリテラシーとは、これまでの方法では得られなかった新しい視点を持つ能力である。
⑤グッドデザイン賞の今とこれから。
この15年でモノからコトへ,物語へ。より社会問題を扱うものへ。デザインで再定義,新しい解釈をしていく。
⑥デザインの活用と課題解決とは。
別の視点を持つことで得られる,別解,新解が機能することである。
※ デザイン活動事例
〇 公園や観光地からのゴミの持ち帰りの啓発をデザイン。
・可愛いウサギの耳が持ち手のゴミ袋でゴミを持ち帰りたくなるデザイン。
〇 コロンビアスポーツ、北村化学産業とゴミ袋の企画デザイン。
・NPOゴミ拾い団体へ配布。・ゴミ捨て場でアート。・クリーンアップモンスター。
〇 DV被害の実態を知ってもらうためのきっかけの提案デザイン。
・DV防止キャンペーンでのロシアン飴配り。
・どこからがDVか否かのシートで話しをしてもらう。
・むらさき屋という紫色の者だけを集めて売り,DV無関心層へのアプローチ。
・紫色の髪のおばさんたちの写真展開催。
〇 製品の売上金の一部でユニセフを支援。企業のCRS活動をデザイン。
〇 東日本大震災からの復興支援,サポートの在り方,寄附のスタイルをデザイン。
〇 おかずスターズ(石巻市 雄勝地区),王子製紙ネピアテンダー被災地高齢者支援など,東日本大震災被災者支援スキームをデザイン。
〇 食を見つめなおすきっかけ,食に感謝の気持ちをもつきっかけをデザイン。